運営堂の森野さんと定期的にお話ししていますが、「頑張っているのに、なぜ制作会社は儲からないのか?」というテーマで、膝を打つような話しになり、せっかくなのでブログ記事にして公開いたします。これは来年2026年に向けてのテーマでもあると思っているので、継続して扱っていけたらと思っています。
「なんとなく」で作るサイトが、通用しなくなってきた。

最近、ウェブ制作会社の人からQA ZEROにご興味頂くことも増えてきました。やはりGA4が難しすぎるのと、QA ZEROであればコンサルティングに近いサービスが提供できるのではないかというご期待も頂いています。森野さんは今のWeb制作業界の現状をどう見ていますか?

一言で言えば、「なんとなく」で作っていたサイトが限界を迎えていると思います。これまでは、デザインを綺麗に整えて公開すれば、それなりに成果が出る時代もありました。しかし今はチャネルが多様化し、Google広告など単価はあがるし、サイト流入やユーザ行動自体もAIの影響で変化が予想されます。これまで通り「綺麗な箱」を納品するだけの商売を続けていれば、クライアントのビジネス自体が立ち行かなくなるよなぁという感覚です。

保守費用もそのまま継続できるか怪しくなってきますよね。

そうなんです。とはいえWeb制作をやっていた人が急にWebマーケティングをサポートするといっても限界があります。たとえばコンテンツマーケティング一つとっても「原稿をもらったらアップします」という運用になりやすい。それでは、今までの保守と変わらないですよね。
真逆のビジネスモデル

おそらくそういう背景もあってか、QA ZEROへの問い合わせを頂いていますし、Web制作会社の人達としてもWebコンサルティング力をあげたいという思いを感じます。

ところがビジネスモデルとして根本的に難しい構造があるのです。Web制作会社のビジネスモデルは時間あたりの制作単価をあげることに最適化されています。数日勉強したり、お客さんの話しを数日聞いて一ヶ月あたり数万円のコンサルティング料金を稼ぐくらいだったら、バナーやページなどを一つでも多く作った方が儲かっていることになります。つまり、運用フェーズで「どうすれば成果が出るか」と悩む時間は、効率の悪い儲からない時間であり、ビジネス戦略がある意味真逆なんです。会社として毎日1時間勉強の時間を取る、みたいなルールがあれば話は別ですが、そんな制作会社さんは聞いたことがないです。

なるほど。でも制作し続けるといっても、単価が下がりつつありますし、AIも台頭してきました。

そう、「それっぽいもの」が溢れている時代です。特にAIを一旦触ったクライアントからすれば、AIで作ったのか人間が作ったのか分からないようなサイトに、高い制作費を払う理由はなくなります。とはいえクライアントからすると誰を選ぶべきかはよく分からない。そうなると選ばれる理由がないと厳しくなっていきますし、作れるだけでは駄目になってきますよね。

クライアントも、効果的なマーケティングや運用まで面倒をみてくれる会社の方が良くなってくるでしょうしね。

作って終わりの商売は、今や最も効率が悪く、リスクが高いビジネスになりつつあります。そこから抜け出す方法を考えていくことが重要ですが、それを社員さんがわかっていたとしても、社長が理解してくれなかったり、やはり大量生産するビジネスモデルから抜け出しづらいという話しもよく聞きます。

なるほど。その話しは興味深いです。ぜひ聞かせてください。
次回「現場をフル稼働させるほど、利益が減っていく理由」をお送りします。お楽しみに!(次回は来年になります。今年もQA ZEROブログをご覧頂きありがとうございました。良いお年をお迎えください!)

