「GA4は魔法の杖じゃない…」ウェブ担当者の苦しい作業、誰が解決する?

「GA4は魔法の杖じゃない…」ウェブ担当者の苦しい作業、誰が解決する?

「GA4は、難しそうだけどやらなければ」。そんな期待を背負い、ウェブ担当者の人は日々GA4と格闘していると思います。

一方、レポートを受け取る側の人にとって、データ分析は「誰かが魔法の杖を振れば解決する仕事」だと思われている節があります。レポートをみて「改善するにはどうすればよいか?」「こんなデータも報告できないか?」という質問も飛んできます。

しかし、実態は違います。GA4は魔法の杖どころか、まるで「最新鋭のF1カー」のようなもの。一般道で気軽に乗り回せる代物ではなく、専門のメカニックと熟練のドライバーがいなければ、その真価を発揮するどころか、ただそこに存在しているだけで終わってしまうことばかりで、そのギャップに多くのウェブ担当者が苦しんでいます。

※本記事は、特定のツールを批判するものではありません。

私自身、GA4のコンサルティングにも携わっており、特に「探索レポート機能」や「Google広告との連携」などは非常に優れた機能だと感じています。実際に、QAを導入いただいたお客様にもGA4との併用をお勧めしています

ただ、現場では「GA4を使えばすべてうまくいく」といった期待が先行し、その設計や運用にかかる膨大な時間と知識コストが、結果的に現場担当者を追い詰めている例も多く見てきました。

本記事では、そうしたデータ活用を阻む構造的なギャップに光を当て、どうすればより早く、賢く、クリエイティブな解決に向かえるかを整理しています。共感いただける部分があれば嬉しいですし、異なる視点からのご意見も歓迎です。

コンサルティング先での「ある日」

先日、データ活用コンサルティングでお客様を訪問した際、まさにこの「心の叫び」を目の当たりにしました。

ウェブ担当者の方は、周りの営業さんから「GA4でユーザー固有の行動データを見たい」と次から次へと無茶なデータ抽出を依頼され、疲弊しきっていました。

実際私がお聞きすると、彼らの質問は、dataLayerを使ったイベントデータの保存方法やカスタムディメンションの知識だけでなく、GA4の高基数(Cardinality)制限まで知らないと適切に対応できないものばかりです。しかし、そうした専門知識を学びながら対応したとしても、膨大な手間がかかり、分析者に過度な負荷が集中しているのが現状です。

「誰が解決するんだ?」「でも説明する気力もない」。解決策が見えない閉塞感がそこにはありました。

なぜ「心の叫び」が生まれるのか?GA4の構造的課題

ウェブ担当者の「心の叫び」は、単なる個人のスキル不足に起因するものではありません。GA4の構造的な課題、および多くの人がデータ活用を魔法の杖だと思っていることが、その疲弊を生み出しています。

F1カーに見えて、実はそうではない。GA4の「無料」の裏側

GA4は無料で提供されているため、多くの企業が「使わない手はない」と考え導入しています。そして「Googleだから無料でもすごいだろう」「F1カーのように最新鋭だから何でもできるだろう」と錯覚してしまいます。しかし、GoogleはAI競争や自社メディア広告、クラウド事業への転換を優先しており、有料のBigQueryを使わず無料のアクセス解析ツールとして使う場合は、なかなか苦労するようになっています。以前のユニバーサルアナリティクスとは違い、無料でなんでもできるわけではないのですが、これが多くの疲弊を生んでいます。

よくわからないから「丸投げ」

データ活用について考えたりツールを覚えるのは骨が折れるため、結果的に「自分はやれないから」とウェブ担当者への丸投げが発生します。そして魔法の杖としての期待が生まれます。データは単なる記録に過ぎず、魔法の杖ではないのですが、その本質が理解されないまま、見た目F1カーに見えるGA4への期待は高くなり、現場に負荷が集中する構造が生まれてしまっています。

本来エンジニア向けツール

GA4は本来エンジニア向けツールです。そして、正直QA ZEROを作っているエンジニアの私から見ても難しいソフトウェアです。それなのに、誰もが使うことが当たり前とされている。よく考えると、これは不思議な話しです。

たとえば、私に向かって「AdobeのPhotoshopを使え!」という人はいません。私がデザイナーではなく、Photoshopがプロ向けツールであることを多くの人が知っているからです。ですがGA4だけは、誰でも使えると思われるし、理解も求められます。おそらく、このようなツールの適性を無視して利用を強いられるソフトウェアはGA4だけでしょう。Excelでももう少しマシな気がします。

「人の時間」を取り戻すデータ活用

私がみた、GA4で疲弊する構造は、「GA4は実はF1カーではない無料だと苦しむツール」という現実と、「よくわからないから丸投げ」が発生する多くの現場、そして「本来エンジニア向けのGA4」というギャップにあります。

これと似た現象は人事や経理などの事務系仕事で見られます。社内業務や経理はよくわからないから、担当者に丸投げされて、そんなに時間もかからないと思われている。そしてバックオフィスは予算削減対象でもあるから、効率化ツールも後回しになり、実は大変手間がかかっている、といった状況です。

私はこの「無駄に疲弊する時間」に焦点をあてたくてQA ZEROを開発しています。

今回のコンサルティング先の「ユーザー個別の行動を追いたい」という要望には、本当はQA ZEROを導入する方がGA4よりも適しています。GA4はもっとBigQueryやLookerStudio連携など、大局を見る分析にむいています。でも私が言うとポジショントークに聞こえやすいですし、GA4担当の方にいっても苦しまれるだけなので、選択肢の一つとしてさらっとしかお伝えできません。これが私としては心苦しいし、本当はお伝えしたい。

私には、どんな人もウェブサイトをよくしたいと思っている。それには時間が一番大切なもの、という信念があります。ですのでこの記事を書くことにしました。

QA ZEROが提示する時間の解決策

  • アルバイトでもマニュアルなしですぐ使える直感的なUI
  • AIエージェントBrainsによる分析が今後の柱。分析に自信がなくても大丈夫。
  • Brainsは各社向けにカスタマイズでき、定型業務が楽になる
  • ヒートマップやセッションリプレイとPVデータが連動し、ページ内行動までおえる
  • 初期設定が一切不要
  • プライバシー(ファーストパーティデータとCookieレス計測)に完全対応しており、ややこしくない

我々のツールはGA4ほど大局をみる分析や細かいレポーティングには向いていません。しかし、データ活用ツールとして完全に振り切っていることから、サイト改善を求められ、社内から質問攻めにあっているならば、疲弊する時間削減に大きくお役にたつ自信があります。

ウェブ担当者が「データでワクワクする」未来へ

ウェブ分析の課題は、単なるツール機能の問題ではなく、「よくわからないから丸投げしてしまう」という組織的な課題でもあります。

QA ZEROは、ウェブ担当者がツール画面で疲弊する時間を軽減し、もっと「戦略立案」や「新しいアイデア創出」といった創造的な活動に集中できる環境を提供するために開発しています 。これからのサイト改善は、AIとの楽しい対話から始まると信じています。データ活用を求められることが「苦行」ではなく、「ワクワクする」ものになり得る未来を、私たちは創っていきたいと思います 。