カミタケモータース黒石さんに聞く!現場主導のマーケティング最前線

カミタケモータース黒石さんに聞く!現場主導のマーケティング最前線

日本企業応援企画として、「データ活用への取り組み」についてさまざまな日本企業の方と丸山が対談しています。今回は、株式会社カミタケモータースの黒石悠太さん。カミタケモータース様では、マーケティング未経験だったスタッフが主体となり、現場の声を取り入れながら、成果を見つつ運用方法を改善しマーケティング活動を推進しています。今回の対談では、マーケティング戦略の変遷やデータ分析の課題と改善について、ぶっちゃけて黒石さんに丸山がお聞きしました。

株式会社 カミタケモータース

京阪奈地域を中心に『財布に優しい≒地球に優しい』をテーマに「エコカーライフ・ソリューション事業」を展開中。
軽自動車に特化した販売手法で実績を伸ばす、地域ユーザーのカーライフを、多面的にサポートしています。

大阪・枚方・交野・寝屋川・奈良生駒で軽自動車の未使用車(新古車)ならカミタケモータースへ!ダイハツ・スズキ・ホンダの軽自動車を500台以上展示販売中!軽自動車の…
www.kamitake.net

黒石 悠太 氏
株式会社 カミタケモータース マーケティング部チームリーダー

マーケティング未経験からスタート!?100万PV達成までの軌跡

丸山
丸山

本日はお忙しい中、ありがとうございます。
カミタケモータースさんのマーケティング活動、かなりレベル高くてしかも社員のみなさんも楽しそうで驚きました。本日はその辺りを深掘りさせていただきたいと思っています。
よろしくお願いします。

黒石氏
黒石

よろしくお願いいたします。

丸山
丸山

黒石さんは、元々Webマーケティングのご経験があったわけではないと伺っているのですが、まずはそのあたりからお聞かせいただけますか?

黒石氏
黒石

私は学生時代、ずっとサッカーしかやってなくてですね。ポジションはサイドハーフかサイドバックでした。

丸山
丸山

おぉ…きっと足が速いんですね。私も高校時代サッカー部だったんです。私は下手ですけど(笑)

黒石氏
黒石

いやいや(笑)
私自身はカミタケモータースに入社して、最初の1年間は営業をやっていました。そして2年目から仕入れ担当になり、今年で9年目になります。仕入れ担当として商品を扱う中で、「どのように集客につなげていくか」を考えていくことが仕事に加わっていきました。

マーケティングチームからマーケティング部へ

丸山
丸山

なるほど。仕入れにプラスして集客を意識することも加わってきたんですね。
今マーケティング部ですよね?マーケティング部はいつ頃できたんですか?

黒石氏
黒石

マーケティングチームができたのは2019年頃です。マーケティング部に昇格したのが、今から4〜5年くらい前ですね。

丸山
丸山

マーケティングチームからマーケティング部に昇格されたということは、その成果が認められたということですよね。

黒石氏
黒石

そうですね。成果が半分と、会社としてそういった部署を設立しなければならないという思いもあったようです。
マーケティング部に昇格した当時は、ホームページへの流入が月100万PVいくかいかないか、というタイミングでした。

丸山
丸山

おぉ、その時点で大きな成果が出ていたんですね。

黒石氏
黒石

そうですね。月100万PVに到達しかけていました。

丸山
丸山

なるほど。会社としてもWebに力を入れるべきだという意識が高まっていたタイミングと、黒石さんたちのチームがSEOやYouTubeで成果を出していたタイミングが重なって、マーケティング部に昇格されたんですね。

なぜ未経験から成長できたのか?チームメンバーの経歴

丸山
丸山

マーケティング部のメンバーは、黒石さんを含め、皆さんWebマーケティングは未経験から始められたと伺っていますが、現在の運用体制について教えていただけますか?

黒石氏
黒石

現在の中心メンバーは4名で、それに奈良支店に常駐しているメンバーが1人います。合計5名で回しています。
SEO担当、YouTube担当、仕入れ担当というようにメイン担当を決めています。
メンバーを束ねているのが部門長である永冨です。

丸山
丸山

マーケティングチームになる前の時代から、部門長である永冨さんがポータルサイト戦略を主導されていたということですか?

黒石氏
黒石

そうです。チームが「これをやっていこう」と言ってやり出して、指揮を執っていたのは永冨です。そしてメンバーそれぞれが自分で考えて自主的に行っています。

丸山
丸山

なるほど。永冨さんと一緒に、まさに黒石さんもこのWeb集客の初期から関わってこられたんですか?

黒石氏
黒石

そうですそうです。
「他のところと同じことをしない」「安さだけじゃなくて、それ以外の部分で勝負できるものはないか」にこだわってやっています。
これを意識して考えて推進していくことは永冨の影響が大きいですね。

たたき上げチーム流!型破りなマーケティングスタイル

丸山
丸山

皆さんどのように学んで運用されているのですか?本を見たりして研究されたり?

黒石氏
黒石

いや、もう完全に独自ですね。やってみて、いいか悪いかを判断する。それだけです。

丸山
丸山

なるほど、まさに「たたき上げ」スタイルですね。

黒石氏
黒石

はい、ただのたたき上げです(笑)

丸山
丸山

企画会議などはされたりするんですか?

黒石氏
黒石

企画会議はもうやってないですね。やめました。なんとなく人間同士で2時間喋っててもアイデアが出ないなと思って。

丸山
丸山

なるほど。

黒石氏
黒石

それよりも、日々のコミュニケーション、普段の会話の中からアイデアが生まれることが多いんです。
思ったことをやってみる、ということを徹底しています。
特にSEO記事なんかは、ちょっと内容を変えるのにお金がかかるとかそういうことではないですから。

ナレッジ共有方法

丸山
丸山

サイトやLINEからの問い合わせ対応は誰がされているんですか?

黒石氏
黒石

現場スタッフがやっています。社内研修もやるんですけどそれ以外に効果的なのは、返信するのがうまくなってきたスタッフが、ひとつの成功例となって同僚や後輩たちに教えていく、というやり方ですかね。

丸山
丸山

まさに現場主導で「みんなで考えていく」を体現していますね。
AIも活用されていると伺いましたが、どのような活用をされていますか?

黒石氏
黒石

AIは企画案の素地とするのに活用しています。AIに聞いたら、企画がいくらでも出てくるので。

丸山
丸山

なるほど。
皆さんがそれぞれ考えて、AIも活用して、現場の声を聴いて、日々コミュニケーションの中から企画が生まれて、すぐに実行する。
理想的すぎて驚きます。

自社ウェブサイトへの方針転換とGA4の課題

丸山
丸山

そもそもWeb集客に力を入れ始めたのはいつ頃だったのでしょうか?

黒石氏
黒石

Webでの集客に力を入れ始めたのは、おそらく9〜10年くらい前になると思います。2014年か2015年頃からですね。

丸山
丸山

結構早い時期からですね。

黒石氏
黒石

ポータルサイトにおいての戦略がうまくできるようになってきて、始めてから2〜3年経った頃には、他の会社もカミタケモータースのやり方を真似するようになってきたんです。

丸山
丸山

競争が激しくなってきたんですね。

黒石氏
黒石

そうなんです。ブルーオーシャンだったポータルサイトが、レッドオーシャンに変わってしまいました。

自社サイト強化へ

黒石氏
黒石

レッドオーシャン化を受けて、ポータルサイトだけでは戦いづらいなと感じ、自社サイトを強化しようということになりました。

丸山
丸山

なるほど。自社サイトの強化に本格的に着手されたのはいつ頃ですか?

黒石氏
黒石

自社サイトに本腰を入れ始めたのは、2019年か2020年頃です。
まずはSEO記事を書いて流入を増やすことと、あとYouTubeですね。
この2つでしっかり成果を出していこう、ということでスタートしました。

丸山
丸山

この自社サイト強化のタイミングで、黒石さんを含めた今のマーケティングチームが固められたんですね。

黒石氏
黒石

そうです。仕入れをしていた私と、先ほど話に出たメンバーですね。そのメンバーをマーケティングチームとして固めたのが、自社サイトを強化しようというタイミングと同時期です。

データ活用の壁。GA4の課題

丸山
丸山

集客からその先の送客、つまり来店や成約に繋げる部分についてお聞かせください。
ここは数値化できる部分とできない部分があって悩ましいと思うのですが、どのように運用されていますか?

黒石氏
黒石

我々の共通認識として掲げているのが、「どこを見に行ってもカミタケモータースが出てくる状態を目指そう」ということです。
それを目指して、インスタやTikTok、YouTubeなど色々やっています。
来訪されたお客様に「カミタケモータースを何で知ったか」を営業がお聞きすると、「ホームページを見て」とおっしゃる方が増えてきているので、全体としてうまく回っているのかな、と感じています。

GA4の運用負荷が高く時間がかかりすぎる

丸山
丸山

効果測定ということで、データ活用に関する課題や悩みはありましたか?

黒石氏
黒石

販売台数は伸びているんですが、GA4では「問い合わせ数を伸ばすための前段階の指標」が見づらかったんです。

丸山
丸山

前段階の指標、というと?

黒石氏
黒石

例えば、コンバージョン(CV)設定をするのにも、時間がかかったり、サイト制作会社に依頼する必要があったりして、ロスが大きかったんです。設定したCVと、広告運用会社から届くCVにかなり乖離がある、ということもありました。
その結果、どこに予算を投下して、どこを改善すれば良いのか分からない、という状況が続いていました。

CookieバナーのGA4への悪影響の情報がどこにもない

丸山
丸山

なるほど。数字は伸びているけど、具体的に何が効いていて、どこを改善すればさらに良くなるかがブラックボックスだったんですね。

黒石氏
黒石

そうです。SEO記事も新規でバンバン書いて、ホームページのPVも増えていたのにいつの間にか下がっていて、その原因も分からない、という時期もありました。

丸山
丸山

ああ、PVがそんなに変動したのに、原因が分からないのは困りますね。

黒石氏
黒石

はい。先日丸山さんとお話した時にその原因がCookieバナーだったと分かりましたけど、まさかそんなしょうもない理由だと思ってなかったんですけどね(笑)

丸山
丸山

よかったです。QA ZERO導入したあとは正しい数字が見れるようになると思います(笑)

QA ZEROとの出逢い

「サイト分析の自動化」ツールは初めてだった

丸山
丸山

カミタケさんとは私たちが出展したDXPO大阪’25で初めてお会いし、その時にすごくQA ZEROを褒めてくださりました。
どこに興味を持って頂いたのでしょうか?

黒石氏
黒石

はい。QA ZEROを導入したいと思ったのは、問い合わせ数を伸ばすというところに、もっと着眼してデータを見て対策していきたい、というのが一番大きな理由です。

丸山
丸山

ありがとうございます。データを見て改善していきたいということですね。
そういった課題を解決できるツールとしてQA ZEROをご検討いただいたのでしょうか?

黒石氏
黒石

そうですね。展示会などで探していたのですが、そもそも「サイト分析・改善の自動化」をうたっているツールがほとんどなかったんです。

丸山
丸山

確かに我々のようなツールは珍しいかもしれません。

黒石氏
黒石

そこでお話を聞いて「たたき上げの自分たちに向いているツールはこれかも」と思ったんです。
他の会社さんのやり方はわからないですが、たぶんGA4を見に行く人というのは、車業界だったらシステム経験のある人が中途で入ってやっている、とか結構多いような印象を受けていました。
そもそもデータに対する理解や知識があって、そのうえでデータ活用の自動化や効率化を進めている、というケースが見られます。でも私たちはただのたたき上げなんですよね。

丸山
丸山

なるほど。

現場の意見とデータ・数字をあわせることが仕事で、GA4を使うことではない

黒石氏
黒石

こういった中で、私たちの強みは、現場の意見を反映させることなんです。
その文系的でもあり論理的でもある部分、つまり現場の意見と数字をうまく組み合わせられるツールがなかなか出てこなくて困っていたんです。

丸山
丸山

現場のリアルな声と、Web上のデータを紐付けて分析したい、ということですね。

黒石氏
黒石

はい。QA ZERO導入の決め手は、サイト分析と改善施策を自動化できるということと、あとはオールインワンパッケージだったことが大きかったですね。
システム経験者がいない自分たちでも使いやすい、と感じています。

コンバージョン設定の手軽さとAIエージェントが魅力

丸山
丸山

オールインワンパッケージというのは、具体的にどのような点を指しますか?

黒石氏
黒石

自分たちが計測したいところ、好きなところにコンバージョンをすぐ設定できることですね。
結局、私たちみたいなたたき上げタイプがGA4で計測・分析しようとしても、コンバージョンの設定とかを外注先に依頼するしかないんです。

丸山
丸山

ああ、外注されているんですね。

黒石氏
黒石

はい。外注先も対応するまでに当然時間がかかりますし時間のロスもありました。

丸山
丸山

なるほど。外注先に依頼する手間や待ち時間が発生していたのですね。

黒石氏
黒石

そうですね。多くの会社でマーケティングに取り組むとき、外部コンサルを入れるところが多いと思うんです。そのコンサルがシステム業者を紹介したり、というのが一般的な流れな気がするんです。
そういう経由で関わってもらう外注先は、オールインワンパッケージみたいになってないことが多い印象です。
SEO記事ならSEO記事のみ、インスタならインスタのみ、みたいな。

丸山
丸山

ああ。確かにそうですね。

黒石氏
黒石

AIエージェントを使って、チャット形式で聞きたいことがここで聞ける、サイトのデータから改善ポイントのアドバイスが出てくる、みたいなのは初めてでした。

丸山
丸山

ありがとうございます。
GA4にログインして、サーチコンソールにログインして、AIにデータ渡して、というのはやはり手間ですよね。

黒石氏
黒石

そうですそうです。
時間価値で考えたらメリットがあるんじゃないか、無駄な時間が減らせるんじゃないか、時間短縮できるかも、とも思いましたね。

丸山
丸山

QA ZEROを選んでいただいた決め手として、サイト分析・改善の自動化、オールインワンパッケージ、時間短縮への期待、という感じですね。
ありがとうございます!

カミタケモータースイズムと未来への展望

丸山
丸山

今後、特に力を入れていきたいことについて教えていただけますか?
今も未使用車などお客様のニーズに合わせた売り方もされていると思います。

黒石氏
黒石

QA ZEROを導入したこともありますし、既存顧客への対応はもちろんのことですが、車販以外でも新規顧客獲得にも力を入れていきたいと思っています。

丸山
丸山

車販以外の事業領域の集客や送客にも力を入れられているんですね。

黒石氏
黒石

はい。QA ZEROを活用してサイト分析と改善をやっていきたいと思っています。
Webサイトの環境はありますので、サイトのどこにお客様が興味があるのか、よく読んでいるのか、という数字管理と、現場の意見と組み合わせて、自分たちなりの戦略を立ててやっていきたい、という感じです。
数字と現場の意見を合わせて、どこに力を入れて改善するかを決めていきたいんです。

安さだけじゃなく、それ以外の部分で勝負する

丸山
丸山

いろいろお聞きして、考え方や哲学がすごく本質的、商売の原則に叶っているなと感じます。
これは元々お持ちだったものなのですか?それとも、何か影響を受けたものがあるのでしょうか?

黒石氏
黒石

そうですね。最初に話したように永冨の影響が大きいと思います。
クルマ屋さんなので結局扱う商品はどこも一緒じゃないですか?ディーラーも同じ車があるし、中古車も同じ、他の未使用車店も同じ。そういう環境の中で勝負するとなったとき、一番分かりやすくて簡単にやりやすいのは金額を下げることなんです。他店より安いからうちの方がいいですよ、と。

丸山
丸山

安さがあればとりあえずお客様が来る、ってことですね。

黒石氏
黒石

うちは安さだけじゃなくて、もちろんそこもあるんですけど、それ以外の部分で勝負できるものはないか、というのをこだわってやってきたんです。

丸山
丸山

なるほど。

黒石氏
黒石

そういう考え方で色々なことをやってきました。「他のところと同じことをしない」という考えですね。

データと現場の声を聞き、みんなで考えていく中に次の施策がある

丸山
丸山

まさに「市場を切り開く」考え方ですね。それは強いですね。
マーケティング部メンバーだけでなく、社員のみなさんがそういう意識を持たれているんですか?

黒石氏
黒石

そうですね。そういう考え方は共有していますし、意識を持っている人は多いと思います。

丸山
丸山

メンバーのみなさんが自分自身で考えて自主的にやられているというのは衝撃的でしたが、それはカミタケモータースイズムなんですね、きっと。

黒石氏
黒石

そうですね。

丸山
丸山

データ活用ツールであるQA ZEROも、お客様の反応が分かるツールの1つとして、そういったいろんなことに使っていけたらいいな、ということですね。

黒石氏
黒石

はい。未来への展望、というとおこがましいのですが、特定の誰かが決めるのではなく「データと現場の声を聞きながら、みんなで考えていく中に次の施策がある」と考えています。

丸山
丸山

それは理想的ですね。
今回はマーケティング施策を組織としてどう推進すべきかに悩んでいる方に、とても参考になるお話でした。ありがとうございました。

対談を終えて

カミタケモータースさんとは、QA ZEROを初出展したDXPO大阪’25で出会いました。展示会でデモを見ていただき、とても気に入っていただいてQA ZERO導入を決めていただきました。

導入の背景にあった想いが「特定の誰かが決めるのではなく、データと現場の声を聞きながら、みんなで考えていく中に次の施策がある」ということ。たたき上げと言いながらも、現場をよく理解した、とても本質的な考え方を持たれていることが印象的でした。

カミタケモータースさんはSEOやYouTube(登録者数が13万人超えはすごいっ)などで、社員のみなさんが本当に楽しそうに積極的に発信しています。うちのメンバーもカミタケファンになり、YouTubeの更新を楽しみにしています。黒石さん、本当にありがとうございました。