運営堂の森野さんと定期的にお話ししていますが、「頑張っているのに、なぜ制作会社は儲からないのか?」というテーマで、膝を打つような話しになり、せっかくなのでブログ記事に全三回の記事として公開いたします。今回は第二回目です。
「忙しいのに儲からない」制作会社のジレンマ

前回の最後で、「大量生産のビジネスモデルから抜け出せない制作会社」のお話がありました。経営者としては、現場が空いている(稼働していない)のは恐怖ですし、常に案件を詰め込んでフル稼働させたいと考えるのが普通ですよね。でも森野さんは、そこに「頑張っても儲からなくなる罠」があるという指摘ですよね。

そうですね。多くの制作会社の社長は、「現場の稼働率=売上」と考えています。だから、少しでも空き時間があれば「バナー1個でも多く作れ」「LPを1本でも多く回せ」と指示を出します。一見、これは効率的に見えますが、実はビジネスの利益は自然に目減りしはじめています。

利益が目減りですか?

前回でも話題になりましたが、AIの進化も手伝って、作るだけだったら誰でもできる時代です。気づかぬうちに単価が下がっていく中で、頑張ってもどんどん儲からなくなる時代が到来しようとしています。これに気づかないと危ないです。
社長が「教育」をコストと見なした瞬間に、成長は止まる

さらに深刻なのが、社長が現場に作業を詰め込みすぎるあまり、「学習の時間」を一切奪ってしまっていることです。業務時間をフルに作業で埋めてしまったら、新しい知識を入れる隙間なんてありませんよね。

実際、制作会社の現場スタッフの方と話すと、「GA4の設置の仕方も怪しい」「サーチコンソールの見方がわからない」という話がよく出てきます。でも、それを勉強する時間が与えられていない。

社長が「教育」を投資ではなく「コスト(時間の損失)」と捉えている限り、その会社のサイト運営レベルは絶対に上がりません。厳しい言い方をすれば、目先の売上のために社員を「作業員」として使い潰している状態です。それだと、30万円の案件をずっと回し続けるしかなく、単価を100万、200万へと引き上げる提案力はいつまで経っても身につきません。そしてそのうち30万円の案件はどんどん安くなっていってしまいます。

社長がいつ舵取りの方向を変えるかが重要そうですね。
「新規事業」と捉える

もし本当に高単価な運用モデルへ移行したいのであれば、それは「既存の制作の延長線上」ではなく、「完全に別の新規事業」として捉え、投資(時間とお金)を投じる覚悟が必要だと思います。実際にビジネスモデルが真逆ですので。

なるほど。新規事業となると、どうやって立ち上げるのがいいと思いますか?

まず社長がどういう会社にしたいかは重要です。すぐに立ち上げたいならば、新しく人を採用するしかないですが、そもそも優秀なマーケッターは採用が難しいですし、仮に採れたとしても社風の問題などでうまく行かないことが多いです。今いる社員のスキルを底上げして文化を作っていく方がうまく行くケースが多いですね。急にレアル・マドリードみたいなチームにはならないですし、それが自社にあっているかもわからない。組織論はほぼスポーツ界が答えを出していますよ。

なるほど。確かに草サッカーチームは急にうまくならないし、じゃぁレアル・マドリードを目指すのか?というのも重要です。サッカーでたとえてもらうとわかりやすいですね。

最初はミスも多いし、社長からすれば「教育している間は利益が出ない」とイライラするかもしれません。でも、そこで踏ん張って、社員が「データから改善案を出せる」ようになれば、チーム全体の質が上がります。質が上がれば、より良いクライアントが付き、高い単価が取れるようになる。そうすると、また優秀な人が集まってくるという好循環が生まれます。

これは不思議な縁の話しもあって、最初から100点を狙わなくてもよいですよね。勉強しながら一緒にお客様と悩むことで絆が強くなったりする事も多いし、自分達が成長していくにつれて、お客様との関係性も変わっていく気がします。

そうですよね。なのでやっぱり社長がどう覚悟をもつかだと思います。「うちは工場として安売りし続けるのか、それとも価値を提供するプロのチームになるのか」という選択を社長自身が下すこと。新規事業として継続していく覚悟。現場をフル稼働させているうちは、この継続ビジネスは立ち上がりません。
次回「AI時代に、30万円の制作案件を200万円の継続案件に変える『稼ぎの型』」をお送りします。お楽しみに!

